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コラム 「日本の常識、タイの常識」
ホテル崩壊!



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記憶は確かではありませんが、この惨事は、今から約10年前、1993年頃の事だったと思います。

ちょうど、この時には、まだ私もタイへ移り住んでおりませんでした。日本とタイを年に数回、仕事で往復しておりました。

いつものように、タイでの用事を済ませて、日本へ戻って来ると母親から電話が掛かってきました。

「無事で良かった。タイで、しかもコラートでホテルが崩壊したというニュースを見て、もしかしたら、お前が巻き添えに会ったのかと思い、心配していたのですよ。」

「え! コラートでホテルが崩壊!」


この頃、まだタイ語の良く分からなかった私は、タイへ行ってもテレビはあまり見ませんでした。まして、新聞など、読めるわけもありません。ですから、事故のニュースは日本へ帰ってから知りました。

しばらく経ってから、またタイ(コラート)へ行く機会があり、そのホテル崩壊の現場の前を通りました。私としては、もっと近くで見たかったのですが、何せ一緒に居る人が「ピー(お化け)」が恐いと言って、素通りしただけでした。聞くところによると、この事故の概要は、

「このホテルは、もともと5階建てたっだのですが、7階建てに増築しました。そこまでは、よかったのですが、この時、屋上に貯水タンクも増設しました。そして、その貯水タンクに水を入れたら、重さに耐えきれずにホテルが全壊してしまったそうです。この時にちょうど、コラート県の教師のセミナーがあり、多くの教師を含めて150人以上(この人数も確かではありませんが)の方がお亡くなりになった。」


ということでした。
でも、良く考えてみると、この話しを聞いただけでは、たくさんの疑問が湧いてきました。
「普通、建物の横に増築はするけど、タイでは、上にも増築をするのだろうか。」
「その場合、柱等の補強はしないのだろうか。」
「それよりも、タイには、建築基準法があるのだろうか。」
「このホテルの設計者はいるのだろうか。」
などなどと。。。。

この疑問をタイ人の友だちに聞いてみたら、
「タイには全く地震がないから、建築基準はうるさくないよ。もし、地震があったら、ほとんどのビルが崩壊してしまうかもね。」
確かに、バブルが弾けたあと、建築が途中でストップしているビルをバンコクでたくさん見ましたが、日本のビル(建築基準)を見慣れている日本人にとっては、柱が鉛筆のように細く、「本当にこれで大丈夫なの?」と心配するくらいでした。
さらに、友人が続けて、
「さすがに、これだけ大きな人災だから、設計者は捕まって、裁判にかけられていますよ。」
とのことでした。やはり、これくらいの大事故になると、タイでも設計者が裁判にかけられると聞いて、なぜかほっとしました。

さて、後日談として、

この裁判の結果は、誰に聞いても、いまだに分かりません。すでに、タイ人の記憶からは消えているのか、だれも興味を示さないからだと思いますが。。。

今(2003年)、この跡地に、ガシコーン・シーフードの3号店ができました。私は興味本位で行きましたが、タイ人の友だちを誘ったところ、やはりピー(お化け)がいる、と言って、頑として行きませんでした。ちなみに、この友人は、いい年の男性です。

また、どうも、このホテルは、中国系タイ人が経営者で、さすがに一人でホテルを作るほどのお金持ちではなかったようで、株式のようにして、いろいろな人から資金を集めた見たいです。ですから、このホテルの崩壊で損を被ったタイ人の知り合いがたくさんいます。あの、ピーが恐い友だちもそのひとりです。

最後に一言、
この事故以来、すでに十年が経ちますが、その後、このような事故を耳にすることはありませんので、さすがにタイでも珍しい事故だったと思います。

お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。


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